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長編SS「高町フェイト、始まります」その4

うーん、ちょっとスランプかも……と思って書いていた第4回です。
なんか文章がすらすらと出て来なくて……年かな(ぇ

内容は続きからですー。
最近テスト的に文章の合間合間を書くようにしているんですが、
これを書き始めると文章の作成速度が格段に遅くなります(苦笑

自分は台詞だけのSSが元々得意なので、しばらくしたらまた台詞だけの表現になるかもです。
予定は未定ですが(^^;)
フェイトちゃんの車の助手席に座って、今日はお買い物。

スポーツカータイプの車なので、頬を撫でる風が気持ちいい。
隣では愛しい旦那様、フェイトちゃんが格好いい。
後部座席には私達の愛の結晶、ヴィヴィオがかわいい。

いい事尽くしで、私――高町なのははとても幸せです。

「なのはママ、フェイトパパ。 今からどこに行くのー?」

不意にハンドルがぶれて、ちょっと揺れる車体。
相変わらずフェイトちゃんはフェイトパパって言葉に弱いよね。

「いまからね、ミッドチルダの東部の方に行くんだよ」
「東部? 何かあったっけ?」

後ろから体を前のめりにして、私とフェイトちゃんの座席の間から顔を出すヴィヴィオ。
そんなヴィヴィオの仕草に私達は顔を見合わせて苦笑する。

「今度新しく大型のショッピングモールが出来たんだよ。
 いまはそこに向かってるんだ」
「調味料とか食材とか、色々切らせちゃってるからね。
 だから、そういうものを買い出しに行くんだよ?」

私とフェイトちゃんが説明すると「そっかー」と納得したヴィヴィオは、
素直に後ろの座席に戻っていく。
そんな様子にやれやれ、と思っていると。

「それだけじゃないよ。 向こうに行ったらヴィヴィオの好きなものも買ってあげるからね?」

なんて、フェイトちゃんが優しい言葉をかけるものだから。

「本当!?」

ほら、ヴィヴィオが興味を持っちゃったじゃない。
まったく、フェイトちゃんはヴィヴィオに甘いんだから……。

「本当だよ。 ヴィヴィオは何がいい?」
「えっと、うんと、その……」

悩んでるヴィヴィオには悪いけど、やっぱり甘やかし過ぎはいけないと思うの。

「フェイトちゃん、あんまりヴィヴィオを甘やかさないの」
「甘やかせてって……なのはママが厳しすぎるんです」

なんて、いつかのやり取りみたいな話をすれば、

「そうだよー、なのはママ」

最近ではヴィヴィオまでフェイトちゃん寄りになって、二対一の構図に。

……べ、別に寂しくなんかないもんっ!

「厳しくなんか……」

「ヴィヴィオは私となのはの子供なんだよ」
「なんだよー」

すっかり勢い付いた二人。
こうしてみると、私が不利であるように見える……だけど。

私にはスターライトブレイカーに匹敵する必殺技が、ある!
それは対フェイトちゃんとヴィヴィオ用に考案された、ある意味生活の知恵とも呼べるものだ。

まずは、ヴィヴィオをおとなしくさせる。

「そんなこと言うなら、今日の晩御飯はピーマンの肉詰めにしようかなー」
「ピ……!?」

この魔法の一言でヴィヴィオはおとなしくなるのです。
そして、次はフェイトちゃん。

「なのは、それはちょっと酷いんじゃ……」
「フェイトちゃん」

この必殺技の極意は、出来るだけ笑顔で相手に伝えることにある。

「一週間、禁欲ね?」
「うぐっ……!?」

効果覿面。

二人が「悪魔め……」って呟いた気がしたけど、そんなの耳に入らないの。
こうやってたまには言い負かすのも清々しい、そう思っていたら。

「ピーマン……」
「禁欲……」

どうやら予想以上に二人を凹ませてしまったらしい。

本当にしょうがないんだから、この親子は……。

「フェイトちゃん、ヴィヴィオ」

恐る恐るといった様子で、俯いていた顔を上げる二人。

――そんなに怯えないでよ、私は二人の事が大好きなんだから。

「ピーマンの肉詰めはウソだよ。 今晩は二人の好きな料理を作ってあげるけど、何がいい?」

「え……えと、その」
「何でもいいよ。 ヴィヴィオの好きなものを言ってごらん?」

突然のことに頭の整理が追いつかないのか、しばらく悩んだあと。

「……ハンバーグがいい」

控えめにヴィヴィオはそう呟いた。

「うん、わかった」

散々悪いことを言っちゃったし、その分腕によりをかけて作らないとね、と。
頭の中のメニューリストにハンバーグを一品追加したところで。

さて、次は大きな子供が相手だ。

「なのは……なのは……」
「フェイトちゃんは何が食べたいの?」

「なのはが食べたい……」
「ダーメ」

がくりと肩を落とすフェイトちゃん。
どうでもいいけど、運転中にそんなことするのは危ないと思うんだけどな。

「私を食べるのは後にして。 今はフェイトちゃんが食べたい料理を言って欲しいんだけど」
「食べたい料理って言われても……え?」

……気付いたかな、私のメッセージ。
結構勇気を出して言ったつもりなんだけど。

「何が食べたいの? 何でも作ってあげるよ?」
「い、いま、後だったらいいって……」

「そうだよ、フェイトちゃん。 後で食べさせてあげるから、今は何が食べたいの?」

よかった、言いたいことはちゃんと伝わったみたい。

さっき禁欲だなんて言ったけど、あれは諸刃の剣。
だって、そんなことしたら私もフェイトちゃんに近づけないし。

私の方がフェイトちゃんを我慢できなくなるんだよ?
フェイトちゃんはそれに気付いているのかな?

「そ、それなら私、オムライスがいい!」

さっきまでの落ち込んだ様子がウソみたい。
満面の笑顔を浮かべるフェイトちゃん。

……それにしても、オムライスかぁ。
フェイトちゃんって、オムライス好きだったっけ?

「ねえ、フェイトちゃん」
「なのはにね、ケチャップでハートマークを描いてもらうんだ!」

……ああ、そういうことね。

嬉しそうなその姿を見ていると、ヴィヴィオとどっちが子供なのか分からなくなりそうで。
思わず私はクスリと笑ってしまった。
コメント

No title

 なのはさんが小悪魔ちっくに(苦笑
 でも、微妙に似合う気がするのはどうしてでしょうね。「白い悪m(SLB
 ……ごめんなさい(黒焦げ
 それにしても、フェイトさんかわいいですねぇ~。オムライスにハートマークを書いて欲しいだなんて。
 ちなみに、僕はオムライスには「天下布武」と書きます(ちょ
 それでは、これからも頑張ってください。応援しています。では、また。
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