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長編SS「高町フェイト、始まります」その6

年内最後のSSとなります、今回のお話です。



最近、自分でもむず痒くなるようなSSばかり書いていますが。






今回もむず痒い!


なお、このSSは急ピッチで作られました(正味2時間くらい?)。

色々間違い等ご指摘あれば、コメントまたは拍手にて!



ちなみに今回はヴィヴィオ視点。



注意してもらいたいのは、このシリーズではヴィヴィオはフェイトのことを『フェイトパパ』と呼んでいます。

あと、ヴィヴィオはVividのちょっと前くらいという設定ですね。



実際は結婚してないし、フェイトパパとも呼んでいないので完全にパラレルだと思ってくださいな。

平行世界の、ちょっと百合色激しいなのフェイだとでも考えて貰えればベストですw



前置きが長ったらしくなりましたが、内容は続きから。

拍手への返信はまた後ほど(下手したら年明け)。
今日はなのはママとフェイトパパ、二人と一緒にカラオケボックスに来ています。

それというのも、今日がママ達の故郷で言うところの大晦日という日らしくて。



なのはママが『大晦日は紅白歌合戦とかよく見てたよね』とフェイトパパに話したら。

『じゃあ、うちも紅白歌合戦をしようか!』という流れになりまして……。



こうして三人、フリータイムで歌っているわけなんですが。



「……なのはママ、フェイトパパってプロの歌手?」

「違うよー?」



フェイトパパの歌声に圧倒される私。

そういえば、こうして本気で歌っているのを聴くのは初めてだったっけ。



隣でなのはママが上機嫌で笑っている。

『うちの旦那様は凄いんだよ!』と言いたそうな風にしている。



「うちのフェイトちゃんは凄いんだよ!」

「本当に言った!?」



「何を?」

「……別に、何でもないよ」



その後も、フェイトパパの歌をうっとりと聴いていたなのはママ。



『L・O・V・E、ラブリーフェイトちゃん!!』



なんてコールを始めた時には恥ずかしくて思わず外に飛び出しそうになったっけ。

そして、フェイトパパの歌が終わり、今度はなのはママの番。



まずは歌い終わったフェイトパパを出迎える。

ドリンクを手渡すと嬉しそうにストローで飲み始めた。



「フェイトパパ、歌上手いんだね!」

「ごほっ!? あっ……り、がとう!」



飲み途中だったのか、むせながらお礼を言うフェイトパパ。



いい加減フェイトパパって呼び方になれないのかな?

かと言ってフェイトママって呼ぶと寂しそうな顔をするし、娘としては色々面倒くさいんですけど……。



「なのはママに歌が上手いって褒められてから、暇を見つけてこっそり練習したりしてたんだ」

「そうなんだ……フェイトパパ、のど自慢大会で優勝できそうなくらい上手かったよ」

「あはは、ありがとう」



そうして話していると、なのはママの歌声が聴こえてきた。

こちらも上手くて、なおかつ何だか艶っぽい大人の歌声。



「なのはママ、色っぽい……」

「うん。 なのはママの歌声はね、人を魅了させるんだ」



一番魅了されているのはフェイトパパなのだろう。

さっきから瞬きもせずにずっとなのはママを見つめている。



「歌だけじゃない。 なのはママは人の心を惹きつけるんだよ?」

「……フェイトパパも?」

「そうだね。 私も」



……前に聞いたことがある。

フェイトパパと、なのはママの出逢い。



敵同士だったのに、なのはママはフェイトパパと友達になることを望んだ。

その純粋な心にフェイトパパは惹かれて、新しい人生をなのはママと共に歩むことを決めた、と。



「……ヴィヴィオもきっと」

「フェイトパパ?」



なのはママから視線をこちらに移す。

真剣な表情で。



「きっと人生を変える出逢いがある。 だから、毎日を大事にね」

「…………うん」







なのはママの後に、私も歌った。

パパもママも上手だと私の事を褒めてくれた。



温かい、家庭。



ねえ、フェイトパパ。

私もなのはママと出逢って、人生が変わったんだよ?



これからももっと、もっと素敵な出逢いがあるのなら。

私はフェイトパパの言うとおり、大事に毎日を生きて行きたいと思う。





「なのは、デュエットしよう?」

「うん……じゃなくて、はい。 喜んで……」



フェイトパパの力強い歌声と、なのはママの柔らかい歌声。

調和して響く、それは二人の魂の交響曲(シンフォニー)。



私はそれを聴いて、涙が止まらなかった。

透明な歌声――その時の二人は何だかいつもより輝いて見えたんだ。







歌い終わった帰り道。

左手をフェイトパパ、右手をなのはママと繋いで帰る。



「帰ったら、年越しそばを食べようね」

「うん」「はーい」



なのはママの言葉に、返事を返す私とフェイトパパ。



年越しそばを食べれば、来年がやって来る。

来年は今年以上に素晴らしい出逢いがあるといいな。



なのはママとフェイトパパみたいな、素晴らしい出逢いが。
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